Document.java
public class Document {
// 書類のタイトル(インスタンスごとに異なる)
private String title;
// 書類のページ数(インスタンスごとに異なる)
private int pages;
// 全書類で共有される「合計ページ数」
private static int totalPages = 0;
// コンストラクタ:タイトルとページ数を受け取り、合計ページ数に加算
public Document(String title, int pages) {
this.title = title;
this.pages = pages;
// クラス全体の合計に加算
totalPages += pages;
}
// 書類情報を出力(インスタンスの情報+クラスの統計情報)
public void printInfo() {
System.out.println(title + ": " + pages + "ページ(現在の合計: " + totalPages + ")");
}
}
Main.java
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Document d1 = new Document("書類A", 5);
Document d2 = new Document("書類B", 3);
Document d3 = new Document("書類C", 7);
d1.printInfo();
d2.printInfo();
d3.printInfo();
}
}
実行結果
書類A: 5ページ(現在の合計: 5)
書類B: 3ページ(現在の合計: 8)
書類C: 7ページ(現在の合計: 15)
解説
「個別の情報」と「全体の統計」を使い分ける
この問題の設計には、以下の2種類の情報が存在します:
pages
:この書類だけのページ数(インスタンス変数)totalPages
:すべての書類の合計ページ数(static変数)
それぞれの性質に合わせて、正しいスコープで変数を設計するのがポイントです。
static変数のふるまい
private static int totalPages = 0;
この変数はクラス全体で1つだけ存在し、new Document(...)
するたびにページ数が加算されていきます。
つまり、全体の状態(統計情報)を記録する役割を担っているわけです。
インスタンスの役割とstaticの役割を設計で分離する
- インスタンス変数:そのオブジェクトだけが持つ情報(ページ数、タイトルなど)
- static変数:クラス全体で共有する情報(合計、IDカウンタ、設定など)
Javaでは、この「責任の切り分け」が static
を設計に活かすポイントです。
まとめ
static
変数は「全体で共有される情報」の保持に適している- インスタンスごとの情報(title, pages)とは設計上の責務が異なる
totalPages
のような統計的な情報は、クラス単位で管理するべき
Just Keep Typing, Baby!では、この「static修羅道」でつまづいた人向けの解説をしています。こちらもぜひ!
// tesh:
// あとで調べ直すくらいなら、今、読もうぜ。