102 「Map修羅道」 Step06 解答例

MapUtil.java

import java.util.*;

public class MapUtil {
    public static void findProductIdByName() {
        // 商品IDと商品名の対応を記録するMapを作成
        Map<Integer, String> productMap = new HashMap<>();
        productMap.put(101, "Apple");
        productMap.put(102, "Banana");
        productMap.put(103, "Orange");

        // 検索対象の商品名
        String targetName = "Banana";

        // フラグと結果変数を用意
        boolean found = false;
        int foundId = -1;

        // Mapをループして、valueからkeyを探す
        for (Map.Entry<Integer, String> entry : productMap.entrySet()) {
            Integer id = entry.getKey();
            String name = entry.getValue();

            // 値(商品名)が一致したら
            if (name.equals(targetName)) {
                found = true;
                foundId = id;
                break; // 見つかったらループ終了
            }
        }

        // 結果の出力
        System.out.println("商品名: " + targetName);
        if (found) {
            System.out.println("商品ID: " + foundId);
        } else {
            System.out.println("見つかりませんでした");
        }
    }
}

解説:「Mapは値で検索できない」ってどういうこと?

Mapの基本は「キー → 値」です。
つまり、「IDから名前を引く」のは得意ですが、「名前からIDを探す」のは得意ではありません


なぜ苦手なのか?

Mapはキーに対してハッシュテーブルやツリー構造を構築していますが、
値に関しては何のインデックスも持たないからです。

そのため、値からキーを探すには、全件ループして1件ずつ比較するしかありません。


書き方のポイント

for (Map.Entry<Integer, String> entry : map.entrySet()) {
    if (entry.getValue().equals(target)) {
        // 一致したらentry.getKey()が目的のID
    }
}
  • equals() で文字列の比較
  • 見つかった時点で break すると効率が良い
  • 見つからなかった場合の処理も忘れずに

containsValue() では足りない理由

map.containsValue("Banana"); // true/false しか返さない
  • このメソッドでは 「値が存在するかどうか」 はわかるが、「どのキーか」 はわからない
  • 結局ループが必要になる

実行結果の例

商品名: Banana
商品ID: 102

まとめ:このステップで学ぶべきこと

  • Mapは「キーから値」は得意でも「値からキー」は苦手
  • 値からキーを探すには、全件ループして比較する必要がある
  • 検索効率を求めるなら「逆向きのMap」を別途用意する方法もある(応用)

このステップでMapの「片方向性」を知っておくことは、設計ミスを防ぐうえでとても重要です。

102 ステップアップ問題 「Map修羅道」